本来は照明ケーススタディの一種かもしれませんが、ちょっと人におすすめできるような話題ではないので、雑談カテゴリで紹介します。あくまで「夢を見た」話であり、理論上こういうことができますよという紹介ですので、あまり真に受けないようにしてください。
こんなことができたらいいな
たとえば民家をそのまま使って演劇公演をするとして、天井に元々付いているダウンライトやシャンデリアなどの天井照明を調光卓で調光できたら素敵だと思いませんか?(照明は白熱電球のタイプであることを前提とします)
普通はこの手の照明は壁のスイッチでオンオフしかできないのですが、それでも何とかしたいという時、電気工事をすれば可能になるという夢を見ました。
ありたい姿
やりたいこととしては、以下の図でBeforeを「こうしたい」の状態に変えることです。この回路図で意味が分からない場合はできない (やらない方がいい) ので、あえて説明はしません。また、壁の中の配線をいじるので、少なくとも第二種電気工事士の資格が必要です。
この方法を私は「片切スイッチの二次側を奪って調光する」と表現しています。
方法
- 奪いたい片切スイッチのカバープレートを開け、スイッチから電線を外します。
- スイッチの配線は電線の黒白が決まっていないので、検電器等を使って一次側、二次側を特定します。その後、一次側は使わないので絶縁しておき (ダミーでVVFコネクタを付けておいても良いです)、二次側にもコネクタを付けます。(仮設であること、単線・より線両対応であることを考え、WAGOコネクタを推奨します)
- 二次側のコネクタの先に平行プラグを付けます。プラグの片方の刃にしかコードがつながっていないので、コードの繋がっている方が分かるように「L」のマーキングをします。次に調光ユニットの出力側にもマーキングをします。左をN、右をLとします。
- 調光ユニットの入力側のコードの極性を調べます。テスターを使って、出力側のNと導通のある方をN、そうでない方をLとします。
- 調光ユニットを刺す壁のコンセントの極性も調べます。施工ミスがなければ通常は左側が中性線(N)、右側が電圧線(L)になるはずです。
- 最後に、ここまでマーキングした「L」が全て繋がるように結線して完成です。
これで夢の中では、壁スイッチで操作していた天井照明を調光できるようになったはずです。途中でL/Nの極性が間違っていると点灯しないので、極性を再度確認してください。(極性が間違っていても回路が成立しないだけで、爆発したりしないのでご安心ください)
注意点
電圧線側 (L側) だけを奪って別回路から取り、中性線は元々の線を使うという、2回路にまたがることもあるトリッキーな回路になっていることをよく意識してください。
特に、天井照明が元々所属している漏電ブレーカーと、調光ユニットを接続したコンセントの根元にある漏電ブレーカーは同じブレーカーでないといけません。別々の漏電検知系統に接続してしまった場合、調光ユニット側の漏電ブレーカーから見ると「送った電気が中性線に帰ってこない」ことになってしまい、元々の天井照明側の漏電ブレーカーには「流していないはずの電流が中性線に戻ってくる」ことになるので、両方漏電とみなされます。
2つの系統で漏電検知電流[mA]が全く同じであった場合、ほとんどランダムにどちらかのブレーカーが落ちるので、一見するとかなり奇妙な不具合で、原因特定に時間がかかります。
新しい建物で、すべての回路に漏電遮断器が使われている場合などは不可能だと思った方がいいですね。
一方で、部屋単位で電灯とコンセントが同一回路になっている場合などは、比較的リスクが少ないと言えます。
繰り返しになりますが、夢の話なので、あまり真に受けないようにしてください。
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