照明家協会賞に応募してみよう その① ~概要と応募の流れ~

先日、有難いことに「第39回日本照明家協会賞 舞台部門 新人賞」を受賞いたしました。

 

受賞すると、授賞式に行けたり賞状が貰えたりするので、個人で活動している照明屋には大変励みになります。そこで、より多くの照明仲間にこの快感を味わってほしいと思い、私が受賞した際の応募方法や流れについて説明したいと思います。
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目次

照明家協会賞ってどんな賞?

「公益社団法人 日本照明家協会」が主催する、舞台またはテレビの照明を対象にした賞です。「舞台」というのは、踊りや音楽の公演も含みます。このブログでは舞台照明を主に扱っているので、以下は舞台部門に絞った説明をしますね。

 

まず、協会ウェブサイトの説明を引用してみましょう。

「日本照明家協会賞」は1981年にスタート。照明家を対象とした世界でも珍しい顕彰制度である。舞台部門・テレビ部門、それぞれ大賞(文部科学大臣賞併贈)以下、優秀賞、新人賞、奨励賞、努力賞、技術賞などが設けられている。表彰対象は作品・番組だけではなく、技術開発、機器改良、施設照明設計などにも向けられ、照明家自身による評価に加え、芸術文化界の有識者が参加、年々その社会的権威を高めている。また、会員のみならず全ての照明家に門戸が開かれており、新人の登竜門としても評価が高い。照明専門家として成果を評価・表彰することで、照明界ひいては芸術文化全体の高揚に資することを目的としている。

ここで注目したいのは、「会員のみならず全ての照明家に門戸が開かれており」という部分です。つまり、自らが照明家 (照明屋、照明デザイナー、照明スタッフ) であると自任する人であれば誰でも応募ができるという趣旨の賞です。

 

ちなみに賞の規模感ですが、私が応募・受賞した第39回では、53名58作品の応募があり、26名が何かしらの受賞をしたそうです。

 

思ったより応募者数少ないな、と思いませんか?全体の半数の人が何らかの受賞をしています

 

つまり、あなたにも全然チャンスがあるということです。

 

それに、こちらのページで過去の受賞者一覧が見れますが、何と会社所属の方の受賞が8~9割を占めています。確かに会社所属の場合、過去に応募した先輩の書類が揃っているとか、日常の業務記録の延長線上で応募書類が揃う、個人で協会に入らなくても会社が入っているので応募可能、etc……といったメリットがあるかもしれませんが、それにしても少し寂しい感じがします。もっとフリーランスもアマチュアも応募して、みんなで “道場荒らし” した方が面白くなると思いませんか?

 

そう思ったあなたは、ぜひ応募してみましょう。自分の作品を振り返る良いきっかけにもなりますよ!

 

応募の時期と流れ

毎年1月1日~12月31日までに実施された公演が対象で、応募期間は翌年の1月末までです。(第40回の応募要項を見たら2月末までになっていましたが、これはコロナ禍で公演数が少ないことへの特別対応かもしれません)

 

応募書類の詳細は次の記事で説明しますが、アマチュアの公演だと苦労しがちなものとして

  • 公演の映像 (DVDまたはBDに焼いて提出が必要)
  • 照明家協会に自分が加入していない場合は、加入している人から推薦状をもらう

という2点は、あらかじめ意識しておく必要があるでしょう。この記事を書いている時点で12月末ですので、今年の公演で自信のある明かり作りができたな、と心当たりのある人は、今から応募書類の収集・まとめを始めましょう。応募書類は後で返却されますが、返却までは半年ほどかかりますので、そのつもりで。

 

提出後、審査が行われ、5月下旬をめどに結果が出ることになっています。

 

私の応募した第39回の場合は、以下のような流れでした。

  • 1月末…応募書類提出
  • 5月28日…メールで受賞した旨の一報を受ける、同時にコロナ禍により授賞式の延期がアナウンスされる
  • 6月17日…協会ウェブサイトに受賞者一覧が掲載される
  • 8月19日…延期されていた授賞式を、10月28日に行うことがアナウンスされる
    続けて、賞状の文字、読み方等の確認で協会担当者と何往復かメールやり取りする
  • 10月28日…授賞式

応募してから途中経過のアナウンスは無いので、本当に「忘れた頃に」受賞が知らされます。よって、仮に受賞していなくても、もう忘れていたことなのでダメージも少なくて済みます(笑)

 

ちなみに、これはあまり良くないと思うのですが、協会担当者からのメールは、その担当者個人または所属する会社のメールアドレスで送られてきます。照明会社のドメインで来るのでちょっとビビります。元々、協会は寄合的な組織だと聞いているので仕方ない部分もあると思いますが、できれば “jaled.or.jp” ドメインで送ってきてほしいですね。

 

なお、以前 (第37回) までは新人賞や努力賞などすべての賞に選評が付いていたようですが、第38回以降は、上位の賞=大賞・優秀賞のみ選評が公開されるようになったようです。このため、初めて応募する方はまず新人賞を狙うことになりますが、選評 (受賞理由) は本人にも明かされないものと思っておいた方が良いです。寂しいですが……

 

次回:応募書類の一覧と実例

ここまでが、照明家協会賞の概要と、公演~応募~受賞のタイムラインについての概要でした。

 

次回は、実際に私が用意した応募書類を可能な限り公開しながら、気をつけたポイントについて解説したいと思います。
ただ、前述の通り受賞理由は明かされないので、どこまで審査の観点で有効なのかは不明です。そこのところは、ご承知おき下さい。

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この記事を書いた人

高校演劇~大学の学生劇団で照明を経験し、現在は会社員の傍らアマチュアで舞台照明を継続。第39回日本照明家協会賞舞台部門新人賞。非劇場空間の劇場化、舞台照明の歴史が得意。

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