DoctorMXでおなじみのKuwatecさんが開発している、メディアサーバーアプリのSynvisumを以前から愛用しています。
メディアサーバーって何ぞやという話ですが、要は映像のポン出し・フェードイン・アウト等、「舞台で演出として流すための映像」に特化したソフトウェアのことだと思っておけば良いと思います。
このSynvisumですが、MacOSをCatalina(10.15)→Monterey(12.6)にアップデートした後に起動しなくなるトラブルに見舞われました。他に同じトラブルに遭遇する方がいらっしゃるかもしれないので、ここに備忘録として対策を書き残しておきます。
※実際には、kuwatecさんとメールのやり取りをしながら試行錯誤していますが、簡潔に現象〜途中経過〜最終的な解決策のみを示します。
目次
発生した現象
- Synvisum ver3.5.0のMac版を使用。
- 動作環境は、MacBook Air Retina 2018 (いわゆるIntel Mac。RAM8GB)
- 元々のOSバージョンは、macOS Catalina (10.15) ※細かいバージョンは忘れた。もしかするとMojave (10.14) だったかもしれない。
- macOSをMonterey (12.6) にアップデートした後から、Synvisumが起動できなくなった。
- 具体的には、起動の準備動作=Dockのアイコンが跳ねている状態が延々と続いて、最終的に「応答なし」になる。⌘+Option+Escを押してアプリの強制終了をするしかない。
- OSアップデートの直前に演劇公演の現場で使用しており、正常であれば最後に使った公演データ (ここでは[XYZ.svm]とする) が自動的に開く状態だった。
試したこと
- Synvisumマニュアルに、「Shiftキーを押しながら起動すると前回ファイルを読み込まず、まっさらの状態で起動する」と書いてあるため、Shiftキーを押しながら起動する →効果なし
- Synvisumをアンインストールしてから再インストールする →効果なし
- Macbookを再起動する →効果なし
- SMCクリア、PRAMクリアをする →効果なし
- OSのマイナーアップデート (12.6.0→12.6.1) をする →効果なし
- OSをセーフブートで起動する →一部効果あり。セーフブートで起動中は、Synvisum起動可能。この時は前回開いたファイル [XYZ.sym] が自動で開く。しかしその後、通常ブートに切り替えると起動しなくなる。
解決方法
最終的に以下の2点を実施したことにより解決しました。
1. 環境設定のリセット (plistの削除)
- Adobeのヘルプページにある「B. 環境設定のリセット」と同様の要領で、「ユーザー名/ライブラリ/Preferences」内にある「jp.co.kuwatec.SynVisum.plist」を削除した。
- 削除後、Synvisumが起動するようになった。(Dockアイコンが跳ね続ける状態ではなくなった)
- ただし、今度は起動直後にレインボーカーソル (くるくる) となり、正常動作まではたどり着けなかった。
2. カメラとして認識されるデバイスを削除する
- 元々筆者のMacでは、Webカメラとして認識されるデバイスやアプリを複数使用していた。
例:OBS Virtual Camera (OBS Studioの映像出力をWebカメラという体裁にする)、Iriun Webcam (スマートフォンのカメラをWebカメラとして利用するアプリ)、Logitec Broadcaster (ロジテックが過去に発売していたワイヤレスWebカメラ) - SynvisumはWebカメラを「映像入力」として利用できるので、もしかしてOSのアップデートで使えなくなったこれらのWebカメラ系デバイス/アプリを起動しようとして失敗しているのではないか?と推測。
- OBS StudioやIriunWebcamなどのアプリ本体をアンインストールしても、カメラ扱いのデバイス自体は削除されていなかったので、こちらのページを参考に「ユーザー名/ライブラリ/CoreMediaIO/Plug-Ins/DAL/」内にあるそれらしいファイルを削除した。
- その結果、正常にSynvisumを起動することができた。
推定原因
最終的に2つの対策を実施して正常起動できました。
どちらが支配的な原因だったか判然としませんが、「1.環境設定のリセット (plistの削除)」を実施した時点で挙動が変化したので、両方の対策が効いていたのだと思います。
謝辞
迅速にメール対応いただいたkuwatecの桑原氏、およびtwitterで気にかけていただいた代理店のgongインターナショナルさんに感謝いたします。
コメント