京都の元・立誠小学校では、京都学生演劇祭に向けた仕込みが始まりました!
昨年までは2月~3月に行われていた京都学生演劇祭ですが、今年から夏の開催になりました。
私も参加団体のいちメンバーとして、仕込みに参加してきました。
9時半の仕込み開始時点では10人ちょっと居た気がする仕込み人員も、それぞれ本番直前の稽古やら何やらで抜けて行き、21時の退出時に残っていたのはチーフと私を含め6人。どんどん人数が減っていくのも、もはや演劇祭恒例です(笑)
さて、私は第二回から3年連続で京都学生演劇祭に参加しています。関わっている劇団が違ったり、照明じゃなくて役者をやったり、いろいろなんですが。でも仕込みはもちろん毎回照明チームですね。
そんな私から見た、
「演劇祭出場団体の照明担当者と共有したい!照明必勝法」
を勝手にやってみたいと思います。
本当は自分が懇意にしている後輩とかにコッソリ教えるものなのかも知れませんが、演劇祭全体の照明レベルが上がることは良いことだと思いますし。
それじゃあいってみましょう。
目次
リハーサルの心構え
今回の演劇祭は、各団体に2時間半の「リハーサル」時間が設けられています。(第一回は1時間だったと聞くし、ずいぶん長くなった!)
今年のリハーサルは以下の点に留意するとよさそうです。
- 自分が注文した回路の色入れ、シュートがある
演劇祭では、照明ベースプランに加えて、各団体3回路まで好きな明かりを注文できるシステムですね。
前回まではベースプランのシュートをする時に立ち会ってもらって、注文したプランナーにシュート指示を出してもらう形式だったと思うのですが、今回はシュート作業への立ち会いが必須ではなく、リハの時にできるようです。
また、注文回路の灯体に入れるフィルターも、初日に持ってきたのは私だけでした。
…というわけで、各自リハーサルのタイムスケジュールに「注文した回路の色入れ&シュート」を入れる必要がありそうです。 - 調光卓の操作方法など分からなければ積極的に助けを求める
開催が夏になった(1年生のデビュー戦になる可能性がある)&初出場団体が若干あることから、調光卓「ライトコマンダー24/6」の操作に慣れていない方がオペをする場合もそれなりに多そうです。
この調光卓の操作方法は非常に簡単で、リハーサル中は
①チャンネルフェーダーを操作して明かりを作る
②このシーンはこの明かりで!と決めたら、シーン登録モード(PROGRAM MEMORY)に入る
③そのシーンを登録したいメモリーフェーダーの下にあるボタンを押す
④「SAVE OUTPUT」を押す
という作業を繰り返すことになります。
本番中は、シーンが記憶されたメモリーフェーダーと、チャンネルフェーダーの手動操作を組み合わせてオペをすることになります。
その他の機能(チェイスなど)についてはチーフか、そこらへんの訳知り顔の人に聞きましょう。
演劇祭のチーフは毎年やさしい人ばかりです。
明かり作りのコツ
今年の演劇祭の明かり作りでは、以下のことを意識するとよいかと思います。
- 他団体の注文した灯体を上手く使う
演劇祭では毎回恒例なのですが、他の団体が注文した明かりを勝手に使ってもよいことになっています。
注文した団体よりも上手く使いこなしてやる!くらいの勢いでいきましょう。
今年は元・立誠小学校 音楽室/職員室の2会場に分かれて行われますが、注文された明かりの傾向はかなり違うようです。
音楽室は各団体こだわった位置の単サスが多く、他の団体は使いづらい感じがします。
一方、職員室は汎用的な賑やかし明かりが多く、使いこなせば思わぬ名シーンが誕生する可能性があります。
いずれにせよ、ヘタに他団体の明かりを組み入れようとしない方が良い場合もあるでしょうが… - 明るさの強弱を上手く使う
音楽室は床が白リノリウム敷きで、光を反射して明るくなります。
一方、職員室は床や幕も黒ですが、会場の大きさの割に灯体が多く、そもそも明るいです。
…以上の理由から、明るさの強弱を上手く活かしたシーン作りが効果的と思われます。
同じ方向・同じ色の明かりでも、明るさ次第でかなり印象が変わってくることが予想されます。 - LEDを効果的に使う
音楽室も職員室も、バックからのLED PARが2台仕込んであります。
いろいろな色を出せて便利なのですが、使い方にコツが必要です。
意識するべき点としては、
①演色性が悪く、LED単体では衣装や装置の色を上手く活かせない可能性がある
②混色をした状態(たとえば赤50%、青10%)でメモリーフェーダーに登録すると、フェードイン中に色合いが変わる
(たとえば赤50%、青10%をフェードインすると、最初の方は青1%くらいになってしまい、点灯しません。よって、真っ赤→遅れて青が混ざってくる感じになります)
の2点かと思います。
また、このLED灯体には、「カットイン時のみ電球っぽくジワーっと点く」ように設定してあります。安価なLED灯体のような「完全なカットイン」を期待していると、あれ?と思うかも知れません。
明かり作りはそんなところですかね。
オペのコツ
オペについても、演劇祭特有の事情があったりします。
- フェーダーの長さに慣れる
ライトコマンダーのフェーダーは結構長いです。普段、シーンセッターやETC Expressなどを得意としているオペレーターにとっては、いつものようにフェードインしたのに90%までしか上がってない、みたいなことになりがちです。リハーサル中に慣れておくとよいかと。 - 台本やキューシートはどこに置くべきか?
音楽室・職員室ともに照明ブースは狭く、台本やキューシート(きっかけ表)を余裕を持って置くスペースがありません。
私は、調光卓の右下部分、マスターフェーダーの上に被せて置いてしまいます。
なぜなら、マスターフェーダーは本番中に滅多に操作しないからです。
「台本を置いた拍子にマスターフェーダーが下がってしまって、気付かなかった」なんてことにならないように、いっそマスターフェーダーはビニルテープで100%に固定してしまうのも手です。 - 手上げ(手動操作)を併用する
演劇祭は1台の調光卓をみんなで使うので、各団体にはメモリーフェーダー16本×1ページしか割り当てられません。
普段、少しでも違う内容のシーンならどんどん贅沢にメモリー登録している劇団さんも、今回はメモリーフェーダーを節約しなければなりません。
前のシーンにサスを1~2ヶ所足す程度であれば、メモリーフェーダーを使わずに手動操作にした方がよいです。 - ビニルテープを毎回貼って剥がす
それぞれのメモリーフェーダーの下に、記憶内容をメモしたテープを貼りつけた方が安心という方もいるでしょうが、演劇祭なので、毎回貼って剥がさなければなりません。
そこで、メモ用テープは(ドラフティングテープではなく)丈夫なビニルテープを使い、全ステージ終了まで大切に保管しましょう。
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