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【機材レビュー】96ch調光卓 Lite-Puter / CX-12

チャンネル数が多いのはいいけど、いまいち何をしたいのか分からない一台。
Lite-Puter / CX-12です。
現在はマイナーチェンジが施され、CX-12「II」になっています。

 

CX-12

【機種名】CX-12 (CX-12II)
【メーカー】Lite-Puter
【チャンネル数】96ch
【パッチ機能】○
【シーン登録】○(24シーン×4ページ=96シーン)
【チェイス】○

 

【特徴】
◎この大きさクラスで96chを操作できるのは珍しい
◎「II」じゃない旧バージョンは、他の卓からの入力をミックスするDMX IN機能がある(相性問題あるかも?)
◎表示画面が4行と広めで、情報が読み取りやすい

△メニューにあるが実装されていない(動かない)機能がある
△チェイスの使い方が分かりにくい
△登録済みシーンの修正ができない(新たに作って上書きするしかない)
△現在チャンネルモードなのかシーンモードなのか一目で分かりにくい
△メニュー画面などの動作がやぼったい、遅い
△盤面が大きいので8Uケースに入らない
その他にもいろいろと全体的に惜しい

【コメント】
同じ価格帯なら、CODE A48の方がマシじゃないかと思います。
Lite-Puter社は、調光ユニットとかCX-1203などの簡易調光卓はコストパフォーマンスが非常に良いのですが、少しハイエンドな調光卓になると、どこを目指しているのかわからない変な卓ばかりになる。
このCX-12も、そんな感じです。

 

フェーダーは24本しかありませんが、4ページを行き来して96chまで扱えるようにしています。チャンネルが4ページに渡る卓は珍しく、他にはSmartFade1296くらいしか無いのでは?
(SmartFadeシリーズは、「1248」と「2496」が主流ですが、「1296」というモデルもあるのです)

しかし、96chをフェーダー24本で素早く扱っていくためには相当なユーザーインターフェースの洗練が必要と思われますが、それについてはことごとく残念です。
というか、「何をするにも一手間多い」という感じ。
この「一手間多い」はLite-Puterの高級機種全般に言えることですが。

 

たとえばパッチをするには、「SET」→「Patch」→「DMXin」→「Edit」…と3階層以上降りなければなりませんし、
シーン登録だって、「PROG」→「Scene」→シーンを登録したいフェーダーの選択→「Save」→「ENTER」といった感じです。

この野暮ったさに加えて、ボタンの反応が鈍かったり、若干処理が遅い(処理落ちする)感じがするのが余計に腹が立ちます。
チェイスに至ってはいまだに使い方すら分かりません。

 

マニュアルを見ると、外部のメモリーカードのようなものにバックアップを保存できるような機能があったり、外部卓からの入力をミックスして出力するDMX IN端子があったりと意欲的ですが、
前者は肝心の外部インターフェースが作られていないようで動かず(笑)、
後者は相性問題があるのか、ミックスされた信号が出てこないことがあります。
しかもDMX IN端子は、マイナーチェンジ後の「CX-12II」では無くなってしまいました。

 

ということで、興味深い卓ではありますが、この卓をわざわざ選ぶ意味は無いと思います。本当に。
もう数万円出して、中古のSmartFade1248でも買ってください。

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この記事を書いた人

高校演劇~大学の学生劇団で照明を経験し、現在は会社員の傍らアマチュアで舞台照明を継続。第39回日本照明家協会賞舞台部門新人賞。非劇場空間の劇場化、舞台照明の歴史が得意。

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