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【機材レビュー】12ch調光卓 SDC-12

SDC-6からの進化が半端ない件。
ELATION / SDC-12 です。

2015-02-14 00.00.29

 

【機種名】SDC-12
【メーカー】ELATION
【チャンネル数】12ch
【パッチ機能】なし (512DMXch中、任意の連番の12chを操作)
【シーン登録】×
【チェイス】×

【特徴】
SDC-6よりは絶対こっちにすべき
◎大きさはSDC-6とほぼ同じ
◎SDC-6で問題になったフェーダーの粗さは解消されている
◎常時512ch出力のため、相性問題が少ない
◎DMX端子は3pin、5pin両方対応
◎9V乾電池で動く

×フラッシュボタンはやっぱり無い
×ACアダプターを差していると、やっぱり電池の存在を無視する(停電対策にはならない)

 

【コメント】
安さ・安っぽさ・小ささ・単純さの極みであったSDC-6。それの12chバージョンです。
フェーダーは6本なので、ページを切り替えて12ch操作します。
ただし、単純に12chになっただけでなく、よりテスト目的にシフトした?と思わせるようなバージョンアップがなされています。

まずは、送信先のDMXch(DMXアドレス)をズラすことができる点。これにより、本番で使う大きな番号のアドレスに設定された機器の動作確認が簡単にできます。
また、全然関係ない遠くのアドレス(例:401~412)に設定すれば、DoctorMXの「コンソール」機能のサブマスター(シーンミックス用)として使えます。他にも何かとDoctorMXとは相性が良さそう。
ちなみに、操作中にいきなりディップスイッチをいじってアドレスを変えると、直ちに変更が適用されます。とても単純。

また、SDC-6では3pinのみだったDMX出力端子は、5pin/3pin両対応に変更されています。これもまたDoctorMX(5pin)と相性バッチリ。
この2種類の端子は並列に繋がっているので、5pin端子・3pin端子両方を別々の機器に繋いでも一応動きます。(ただし、「DMXのフタマタ」は本来禁止であり、誤動作が起きても自己責任です)

フェーダーの質が変わっています。SDC-6はSCENE SETTERと同じフェーダーでしたが、SDC-12ではだいぶ重くなっています。まだ酷使していないので、信頼性は不明です。
フェーダーの読み取り精度は細かくなっており、また、SDC-6で問題になった信号の特徴による相性問題も、クリアーしていると思われます。

注意点としては、3つあります。
ひとつは、ページをまたいだときのフェーダーの挙動。
チャンネルが2ページにまたがっているので、ch1とch7は同じフェーダーです。
ここで、たとえばch1を100%にしてから、ページをめくってch7を40%にします。すると、再びページを戻した時、ch1は「出力内容(100%)とフェーダー位置(40%)が一致しない」ことになります。
このような現象自体は、チャンネルが複数ページにまたがる調光卓では一般的なことです。(ベリンガー/LC2412、ライトコマンダー12/2Lite-Puter/CX-12、ETC/SmartFade、など)

多くの調光卓はこのような場合、ch1の修正には「引っ掛け」という動作を必要とします。
つまり、フェーダーを100%まで上げて、一旦「出力内容とフェーダー位置を一致させ」ないと、ch1は動かないようになっているのです。

が、SDC-12は違います。出力内容とフェーダーの位置が一致しない時は、フェーダーを動かした次の瞬間、フェーダーの位置に応じた出力になってしまいます。
これは演劇の本番で12chフルに使う場合には致命的と思われます。要注意。

2つめは、起動したときの挙動。
電源を入れた瞬間は、フェーダーが上がっていても出力はすべて0になります。「マスターフェーダーを少し動かす→チャンネルフェーダーを少し動かす」という動作をしないと出力されません。

3つめは、SDC-6でも問題だった電池。
乾電池で動くのはありがたいのですが、ACアダプタが本体側に差さっていると、停電しようが何だろうがACアダプタからの給電を優先します。
しかも上述の通り、再起動時には一旦すべて0になります。よって停電対策に乾電池は使えません。あしからず(笑)

いずれにせよ、SDC-6からの進化はかなりのものです。価格もお手頃ですし、一家に一台いかがでしょう(笑)

ELATION ( イレーション ) / SDC12

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この記事を書いた人

高校演劇~大学の学生劇団で照明を経験し、現在は会社員の傍らアマチュアで舞台照明を継続。第39回日本照明家協会賞舞台部門新人賞。非劇場空間の劇場化、舞台照明の歴史が得意。

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