シーンセッターの機能限定版といった趣きの卓。使いどころを選べば便利かも。
ELATION / STAGE SETTER 8 です。
【機種名】STAGE SETTER 8
【メーカー】ELATIONほか
【チャンネル数】16ch or 8ch2段 or 8ch+8シーン
【パッチ機能】×
【シーン登録】△(フラッシュシーン8個 + 「8ch+8シーン」モードのみ、シーンフェーダー8本x1ページ)
【チェイス】△(ON/OFFのみ、8チェイスまで、1チェイスあたり32ステップまで)
【特徴】
・シーンセッターの機能限定版、ライブ照明特化版といった趣きの卓
・本格的な照明(特に演劇)には不向きだが、軽めのライブ照明に特化
・16chモードとそれ以外のモードは完全に別扱い。チェイスやフラッシュシーンも使い回しできない
◎思いのほか、小さくて可愛い
◎シーンセッターに比べると、機能が少ない分、誤設定しやすい項目(罠)が少ない、というかほとんど無い
◎シーンやチェイスの組み方が非常に簡単
◎DMX出力が2口ある
×16chモードではシーンフェーダーが使えない(シーンセッターのように、16chモードで作ったシーンを他のモードで使うことはできない)
×チェイススピード設定とフェードタイム設定が同じフェーダーで、致命的に使えない(チェイススピードは実質TAP SYNCを使うしかない)
【コメント】
先日、某小規模ライブイベントのお手伝いに行った時に、触る機会があったので紹介します。
実際のオペはしていませんが、一通り機能を試すことができたので…
触る前は、某ネットショップの取扱説明書などを読んで、「この規模なら、パッチ可能でより小型の DMX-8C の方が圧勝じゃね?」などと思っていたのですが、
実際に触ってみての感想は、「まぁ、現場を選べば、これはこれでアリかな」という感じでした。
そのイベントでは、
- RGBWのLED PARをカミシモ2台ずつ
- RGB+ストロボのLEDバー(フットライト型のLED灯体)をホリゾント的に使う
という仕込みでしたが、
まさにその程度の規模のイベントにピッタリ、という卓だと思います。
まず、DMX出力が2口あるのが便利!
安物なので、きっとちゃんとした分配器じゃなくてただのフタマタなのでしょうが、それでもこれは便利です。
上手・下手にLED PARや小型調光ユニットを分散させて置くような状況では重宝します。
また、シーンやチェイスの登録も、シーンセッターのように複雑なコマンド入力をしなくても済むので、とっても直感的。
シーンやチェイスの概念を知ったばかりの素人さんでも簡単に操作できます。
しかし、欠点はやはり、そのシーン機能の中途半端さ。
基本的には、シーン機能はフラッシュシーンと呼ばれる、ボタンを押している間だけシーンを点灯する機能が8シーンのみ。
1ステップのチェイスを組めば16シーンまで行けますが、チェイスもON/OFFしかないので、いずれにせよフェードイン・フェードアウトはできません。
ですが、3つあるモードのうち、「8ch+8シーンモード」だけは、下段8本のフェーダーがサブマスター(シーンフェーダー)になるので、フェードができます。
しかし、16chモードで作ったシーンやチェイスを8chモードに持ち込むことはできません。これがシーンセッターと比べて大きな違い、欠点ですね。
「1つの卓に16chモードと8chモードがある」と言うよりも、「16chの卓と8chの卓の2台がセットになったよ!」と考えるべきです。
もう1つの欠点は、【特徴】のところにも書いた、フェードタイム設定とチェイススピード設定が何故か同じフェーダーになっていること。致命的です。
盤面右上にあるXマスター・Yマスターのうち、Yマスターは8ch2段モードでしか使わないので、その他のモードではチェイスの「スピードとフェードタイム」を決めるフェーダーになります。
つまり、1秒フェードで変わっていくチェイスにしようとしてこのフェーダーを動かすと、ついでにチェイススピードまで遅くなってしまいます。何だそりゃ。
というわけで、チェイススピードは実質的にはTAP SYNC(ボタンを2回押して、1回目と2回目の時間の差がチェイススピードになる機能)で決めるしかなさそうです。
8~16ch規模の安い卓をご所望の方、私は個人的には DMX-8C をオススメしますが、
- 物好きな方
- とにかく簡単な操作をご希望の方
は、STAGE SETTER も、アリかもしれません…? うーん……
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