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ダクトレールとシャンデリアの合いの子?

先日、こんな天井照明器具を買ってみました。
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これ、中心から三方向に向かって短いダクトレールが生えているという謎の代物です。この器具について解説します。

 

目次

これは何?

コイズミ照明 AE47487E ランダム配灯スライドコンセント という品物です。

 

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もちろんこのレール部分だけの商品で、取り付ける灯体は自分で用意する必要があります。上の写真では、ビームテックのPAR16 を3方向に1台ずつ取り付けています。

 

天井への取り付けにはビスが必要ですが、電源の供給は一般的な引っ掛けシーリングなので電気工事は必要ありません。天井にビスを打ってよい (かつ、ビスを打てる芯材が入っている) 環境であれば、天井のシーリング照明の代わりに取り付けることができます。

 

元々は「ランダム配灯」の名前が示す通り、ペンダントライトを高さ違いで吊り下げるといったおしゃれな照明に使われることを想定した器具のようです。

 

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▲出典: コイズミ照明 製品情報ダウンロードページ 施工例写真

 

まさか舞台照明に使われるとは思っていないでしょうね(笑)

 

……でも、「スポットライトを使用したおしゃれなカフェ系照明」と「舞台演出照明」は灯具の性質も似ており、結構紙一重なところはありますね。

 

演劇での使用例

演劇公演に使用するために、シーリングライトの代わりにこの「ランダム配灯ダクトレール」を設置した例です。

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元々この空間 (アトリエ5-25-6: 一軒家のLDKを改造したアトリエ) には、下の写真のようにファン付きのシャンデリアライトが取り付いており、通常の演劇公演時にはこのままシャンデリアを使用することがほとんどでした。

 

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▲シャンデリア使用時。gekidanU公演『Cooking for』より

 

ところが今回、演出の都合上「無機質な空間」に作り変える必要が生じ、キッチン部分に仮設壁を立てて公演期間中限定で塞ぐことになりました。

 

このため、シャンデリアをこのまま存置しておくと、

 

  1. 「無機質な空間」というオーダーにそぐわない。
  2. キッチン部分に立てられる臨時壁にシャンデリアが干渉する。

という2つの問題が生じるため、別の照明器具に付け替える必要がありました。そこでかねてより目を付けていた、この「ランダム配灯ダクトレール」を購入してみることにしたのです。

 

結果として、オーダー通りの無機質な空間作りに一役買ったと思います。正解でした。
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ちなみに、以前にも直線状のシーリングダクトレールを試験的に設置してみたことがありましたが、直線状だとどうにもダサいんですよね……。
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やはり、シーリングライトは円形状のものとか、シャンデリアのように放射状に光源を配置したものが多いので、元々シーリングライトがあった場所にレトロフィットさせるためには、放射状にダクトレールが伸びているほうがマッチしやすいのでしょうね。

 

ちなみに、レールに吊ってある灯体は、以前レビューしたビームテックのPAR16灯体です。

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この記事を書いた人

高校演劇~大学の学生劇団で照明を経験し、現在は会社員の傍らアマチュアで舞台照明を継続。第39回日本照明家協会賞舞台部門新人賞。非劇場空間の劇場化、舞台照明の歴史が得意。

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