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丸茂ディムパックをDMX化する方法 まとめ

丸茂電機の「ディムパック」シリーズは、市販のDMX照明卓で操作することができます。その方法をまとめた記事です。

目次

大まかな方法解説

  • ディムパックのうち、ある世代以降の機種では、本体のフェーダーを使わずとも、本体側面にある外部入力端子に0-10Vアナログ信号を送ることで内部の調光器を動作させることができる。
  • 本来は純正品の「遠方操作卓」のための機能だが、DMX信号-アナログ信号変換器を使えば、市販のDMX卓を使ってディムパックを操作できる。
  • 劇場の固定設備でディムパックしかない場合、あるいは、DMX化以前からディムパックを所有しており、DMX化に伴い使われなくなっている場合、この方法が有効。
  • メーカー非公式の方法のため、メーカーへの問い合わせ等はするべきではない。
    →2013/11/7修正: 現行TZ-Dシリーズの説明書に「※リモート信号用コネクタを介して、記憶式調光卓との接続も可能です。詳しくは当社までお問い合わせください。」との記述があるので、おそらくDMX卓の使用に関する問い合わせも想定されている。但し、丸茂電機製品以外のことを尋ねても答えられないと思われる。

DMX化が可能なディムパック

  • ディムパックの中でも古い機種は、外部信号を受ける端子がそもそも無いので、できない。
  • 今のところ確認できているディムパックの「世代」と、外部信号入力の可否は、以下の通り。

初代ディムパック T-6/T-10/T-15

111123_1420~01
(写真はT-6。2011年11月、京都大学11月祭にて)

  • T-6:不可能
  • T-10:現物を見たことが無いが、おそらく不可能
  • T-15:不可能 (外部入力端子が存在するが、4ピンしかなく、別の目的で使われたものと思われる)


2代目ディムパック TZ-6/TZ-10/TZ-15

(写真未所有)

  • TZ-6:現物を見たことが無いが、おそらく不可能
  • TZ-10:現物を見たことが無いが、おそらく不可能
  • TZ-15:不可能

3代目ディムパック TZ-6A/TZ-10A/TZ-15A

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(写真はTZ-10A。2011年11月、京都大学11月祭にて)

  • TZ-6A:可能 (2013/11/8修正)
  • TZ-10A:可能 (確認済み)
  • TZ-15A:おそらく可能

4代目ディムパック TZ-6C/TZ-10C/TZ-15C

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(写真はTZ-15C。2011年12月、京都市内の小劇場にて)
※Cシリーズ以降は、コンセントがミニC型。

  • TZ-6C:現物を見たことが無いが、おそらく可能
  • TZ-10C:現物を見たことが無いが、おそらく可能
  • TZ-15C:可能 (確認済み)

5代目ディムパック TZ-6D/TZ-10D/TZ-15D

TS3V0049.jpg
(写真はTZ-15D。2012年4月、某所にて)
※記事執筆時点で現行機種

  • TZ-6D:現物を見たことが無いが、おそらく可能
  • TZ-10D:現物を見たことが無いが、おそらく可能
  • TZ-15D:可能(確認済み)

DMX化するために必要なもの

  • 外部入力端子があるディムパック(写真の矢印の位置にあるはず)
    dimpack_remote.jpg
  • DMX→アナログ変換器 (D/Aコンバーター)
    • ELATION / MULTI DATA PAK (安価で十分な機能があったのだが、残念ながら生産終了)
    • Lite-Puter / DP-3A
    • その他、同様の機能を有する機器 (LSC製、レプリコン製などいろいろ)
  • DMX―アナログ変換器のアナログ出力端子に適合するコネクタ
    • ELATION / MULTI DATA PAK の場合、出力端子は【D-sub 25pin ♀】なので、【D-sub 25pin ♂】を入手
    • その他、D-sub 15pin (DE-15)♂、♀、DINなど、変換器のメーカー・機種によって様々。
  • ディムパックの入力端子に適合するコネクタ
    • TZ-Aシリーズ、TZ-Cシリーズの場合、【日本航空電子 SRCN6A21-16P】を入手。
    • TZ-Dシリーズの場合、【日本航空電子 SRCN6A21-16S】を入手。
    • ディムパック側のコネクタを改造する手もあるが、借り物の場合そういうわけにもいかない。
  • アナログ信号用ケーブル
    16芯以上、太さはAWG18~AWG25程度がおすすめ。
  • はんだごて
  • はんだごてを扱える技術
  • 気合

アナログ信号用ケーブルの作り方

  • DMX→アナログ変換器の、アナログ出力部分のピンアサインを調べる。
  • ディムパックのピンアサインは、SRCNコネクタの刻印そのまま。(1番ピンは調光回路1番に対応。16番ピンはグラウンド)
  • はんだごてで組み立てる。フラットケーブルを使っている場合、ブッシング部分にゴムを噛ませるとよい。
  • ケーブル完成
    131101_2141~01

ディムパックとDMX卓の接続図

ディムパック (TZシリーズ) をDMX卓で制御する方法

補足

  • DMX卓のうち、アナログ出力も持つもの (MA ライトコマンダー、ベリンガー LC2412、Lite-Puter CX-12 などなど) の場合、適合するケーブルを同様に自作すれば、D/Aコンバーターを挟まずに操作することも可能です。
  • D/AコンバーターとDMX卓の電源をどこかから取る必要がありますが、せっかくディムパックには「直A」「直B」回路があるので、ここから電源を取ると卓周りがスマートにまとまると思います。

謝辞

2013/11/8追記:twitterでのリプライを基に、メーカーへの問い合わせとTZ-6Aに関する記述を修正しました。kaz (@kaz141421356) さん、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

高校演劇~大学の学生劇団で照明を経験し、現在は会社員の傍らアマチュアで舞台照明を継続。第39回日本照明家協会賞舞台部門新人賞。非劇場空間の劇場化、舞台照明の歴史が得意。

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