色温度について

照明の光の色を考えるにあたって、「色温度(いろおんど)」という考え方が必要になる場面が多くあります。

「色温度」について解説します。

目次

温度と色には関係がある?

昔、ある人は焚き火の炎ガスコンロの炎を見てこう言いました。

焚き火の炎は赤く、ガスコンロの炎は青い。ガスコンロの炎の方が温度は高いはずだよな。

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―ってことは、温度が低い時は赤く、高い時は青く燃えるんじゃないか…?

実際に測ってみると、その通りでした。赤く燃える焚き火の炎は温度が低く、青く燃えるガスコンロの炎は温度が高かったのです。

「燃える物体の温度と色には関係がある!」

「ということは、逆に、熱い物体の色を温度で表すこともできる!」

このような発想で、色を温度で表す方法、「色温度」が作られたのです。

色温度の単位は、ケルビン(K)です。

ケルビンは「℃」に273を足した値になります。0℃=273Kです。(詳しくは「ケルビン」でググろう)

物質の種類によって、「何℃(何K)でどんな色になるか」は少しずつ違いますが、「低い温度では赤く、高い温度では青く燃える」というところは同じです。できるだけ黒い物体の色温度がよく使われます。

「色温度」と実際の色の対応

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上のグラデーションが、色温度(K)と色の対応です。

色温度が低いと赤く、中間では白く、高いと青くなっていきます。これは「赤っぽい=暖色」「青っぽい=寒色」というイメージと逆に感じるかもしれませんが、慣れるしかないです。

あくまで物体を加熱した時の色なので、すべての色を色温度で表すことはできませんが、炎や太陽の色、そして電球と、照明には熱い物体がよく使われているので、照明の分野でも重要な考え方となりました。

照明に使う光源と色温度

照明分野でよく使われる光源と色温度は、だいたい以下の通りです。

  • ろうそくの炎 1900K
  • 一般用白熱電球(100W) 2800K
  • 舞台用白熱電球(500W) 3000K
  • 舞台用ハロゲン電球 3000K~3200K
  • 蛍光灯(昼白色タイプ) 6500K
  • ムービングライト用メタルハライドランプ(水銀灯系) 6000K~9000K

もちろん上はあくまで目安なので、実際の色温度はその電球のカタログ等を見ないと分かりません。

また、蛍光灯や水銀灯などは、ロウソクや白熱電球と違って物体が熱くなって光っているわけではないので、「6500Kの蛍光灯」は「6500Kで燃えてる物体っぽい色で光る蛍光灯」ということになっています。最近流行のLEDも、燃えて光っているわけではないので、同様に「っぽい色温度」で表記します。

「ローゲージの赤み」

舞台照明をする時に注意すべきことは、「白熱電球やハロゲン電球は、調光すると色温度も下がる」ということです。

つまり、フェーダー100%の時は3000K(=いわゆる電球色)だったのに、フェーダーを30%にするとロウソクの炎のように赤い光になってしまうということです。

ですから例えば、あるシーンで「地明かりを100%点灯したら、色は良いのだが明るすぎた」という場合に、フェーダーを下げると、「明るさはちょうど良いが、赤っぽくなって気持ち悪い色」になってしまう危険性があるわけです。

特に青系カラーフィルターを使う場合、フェーダーを下げて暗くすると紫がかった変な色になってしまうことが多いので、注意が必要です。

ちなみに、ハロゲン電球よりも白熱電球の方が赤くなりやすいと言われています。白熱とハロゲンの灯体を選べるのなら、このことにも注意するとよいかも知れません。

色温度変換フィルター

舞台照明用カラーフィルター(ゼラ)の中には、色温度を変換するフィルターもあります。

  • 色温度を下げるフィルター(薄いオレンジ) … ポリカラー#A-1~#A-5
  • 色温度を上げるフィルター(薄い水色) … ポリカラー#B-1~#B-6
ポリカラーのコンバージョンフィルター

A系はA-1、A-2、A-3…の順に色温度が下がっていきます。B系は逆にB-1、B-2、B-3…の順に色温度が上がっていきます。

たとえば#B-5は、3000K(電球色)を5000K(蛍光灯昼光色)くらいの色に補正してくれます。これを上手に使えば、「青」「赤」などのベッタリした色のフィルターでは作れない、繊細な表現が可能です。

参考文献

  • マッチの炎の画像:http://www.sozai-bank.com/
  • コンロの炎の画像:http://photo.martle.net/
  • 色温度グラデーションの画像:Wikipedia「色温度」
  • 色温度変換フィルターの画像:銀一 https://www.ginichi.com/shop/g/g31961/

今回の記事をpdfにしました。【参考文献】を除けば、A4見開き1ページに収まります。ぜひ、印刷してご覧ください。http://lightingkizai.web.fc2.com/colortemp.pdf

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この記事を書いた人

高校演劇~大学の学生劇団で照明を経験し、現在は会社員の傍らアマチュアで舞台照明を継続。第39回日本照明家協会賞舞台部門新人賞。非劇場空間の劇場化、舞台照明の歴史が得意。

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