この記事では、エリプソイダルスポットライト(エリスポ)またはカッターライトと呼ばれるスポットライトについて扱います。
分類上は「灯体 > スポットライト > レンズによる集光 > ダブルレンズ(プロファイル) > エリスポ」となります。(詳しくは「光学系による灯体分類」の記事と、プロファイルスポットライトの記事をご覧ください)
エリスポの定義
このブログでは、エリスポを「プロファイル系スポットライトの一種で、カッターが標準で付いているもの」と定義します。「カッターライト」も同義です。
そもそもエリプソイダル“ellipsoidal”とは、「楕円体の」という意味で、プロファイル系スポットライトのために楕円体の反射鏡が使われたためにこの名前があります。 ![]()
つまり、あくまで反射鏡の名前であって、カッターが付いているかどうかは本来関係ないのですが、エリプソイダル反射鏡が使われたプロファイルスポットはほとんどカッター付きであったため、現場で「エリスポ」と言えば、カッターの付いたプロファイルスポットを指すことが多いようです。
光の特徴と使われ方
プロファイルスポットの一種であるため、光の特徴はそれに準じます。ただし、羽根(カッター)が標準で付いているため、四角の照射面を作ることは得意としています。羽根を回転させる機構が付いている場合もあり、その場合、灯体の向きに関係なく自由な四角を作ることができます。
このため、
- 看板当て
- 四角い物体を強調するための単サス
などに使われます。
当然ゴボスロットも付いているため、ゴボを使って床やホリゾント幕に模様を出すなど、装飾的な目的でも使われます。
また、ピントをぼかしたり、拡散フィルターを入れたりすれば、比較的柔らかい光質を作ることもできるため、シーリング、TOPなど、基本的な明かりに使うことも可能です。
他にもSS、ピンスポの代用など、何にでも使うことができます。
有名機種・注目の機種
エリスポといえば、まずは
- ETC / ソースフォー
- ETC / ソースフォーJr.
の2機種は必ず押さえておきましょう。「ソースフォー」は有名になりすぎて、「エリスポ」という分類名よりも、ソースフォーと言った方が通じます。「ソースフォーJr.」はやや小型ですが、羽根を回転させることができません。
また、「ソースフォー」に影響を受けた機種として、
も押さえておきたいところ。リクリはいわば「国産ソースフォー」、CSPOTは「安価な偽物ソースフォーの代表格」です。
他にもフランスのRobert Juliat(ロベルジュリア)社、ドイツのNiethammer(ニートハマー)社など、エリスポの名機は欧米産が多いです。これは、日本で平凸レンズスポットが担ってきた役割を、欧米ではほとんどプロファイルスポットで賄ってきた経緯があるためです。
なお、ソースフォー登場以前の国産エリスポとしては、
- 丸茂電機 / ECQシリーズ
- RDS / 936・937
- RDS / 940
などがありましたが、今はあまり使われなくなってきています。
最近は、ソースフォーを作ったETC社より
などの新機種も出ており、一度は使ってみたい注目の機種と言えるでしょう。
エリスポの「度数」表示
プロファイルスポットの記事でも述べたとおり、エリスポは基本的に、照射範囲を調節することができません。レンズの設計によって照射範囲が決まってしまいます。
光学系によって照射範囲が固定されてしまうという点では、PARライトと少し似ています。PARライトでは、電球に「VN」「N」「M」「W」などの種類名を付けて照射範囲を表していましたが、エリスポではどうでしょうか。
エリスポの代名詞・ソースフォーシリーズでは、照射角(フィールド角)の広さを度数(°)で表すことにより、照射範囲を表しています。
度数表示が大きければ大きいほど、照射範囲は広くなっていきます。代表的な度数として、19°、26°、36°、50°の4つを覚えておけば、大丈夫でしょう。
ちなみに、だいたいの照射範囲を覚えるなら、
- 50°:照射距離[m]≒照射範囲の直径[m]
- 36°:照射距離[m]×2/3≒照射範囲の直径[m]
- 26°:照射距離[m]×1/2≒照射範囲の直径[m]
- 19°:照射距離[m]×1/3≒照射範囲の直径[m]
と覚えておくと便利です。
リクリなど、ソースフォーの影響を受けた機種は大抵、この4つの度数を基本としているので、様々な場面で使えると思います。
なお、機材リストなどで、「ソースフォーの19°」を「S419」と略記することがあるので、それも覚えておきましょう。
ちなみに、度数表示以外の表示方法として、
- レンズの直径と焦点距離で表す(「6×9」=「直径6インチ、焦点距離9インチ」など)
- メーカーが適正と考える照射距離で表す(丸茂電機「ECQ-III-7C」の「7」は「適正照射距離7m」という意味。「ECQ-III-5C」も同じ)
などの方法がありますが、日本ではやはりソースフォー準拠の度数表示がメジャーです。



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