【照明ケーススタディ】「これで80分持つの?極限まで削ぎ落としたプラン」

照明ケーススタディは、筆者がこれまでに担当した照明プラン・オペレートの中から、一般化できる知見を紹介するシリーズです。 なるべく汎用性のある知見を紹介していくつもりですが、他の記事群に比べると「個」が強く出ることをご理解ください。

福岡公演の画像
目次

公演データ

本番時期: 2013年9月、11月
公演名: 京都ロマンポップ さかあがりハリケーンvol.7 『ニホンノカビ』
会場: H732シアター(福岡公演)、UrBANGUILD(京都公演)
筆者の立場: 照明プランナー(大学通算24回目)兼オペレーター
仕込み図(福岡):

当時としては珍しく、常設調光ユニットが全部DP-415だったH732シアターさん(福岡県志免町)。炭鉱の街の風景、今でも覚えています。お世話になりました。

仕込み図(京都):

「店常設」と書かれたスポットライトも、持ち込みのDMX調光ユニットで操作した記憶があります。

記事テーマについて

あまり良い公演画像が無くて申し訳ないのですが、福岡・京都の仕込み図を比べていただければ、タイトル「これで80分持つの?極限まで削ぎ落としたプラン」の意味が分かるかと思います。

京都の方、同じ演目の仕込み図とは思えないくらい削ぎ落していますよね。

もちろん、会場が全然違うし(片方は小劇場、片方は飲食店+ライブハウス)、仕込みにかけられる時間も3倍くらい違うので単純に比較はできませんが、一見不安になるくらい削ってしまっているのも事実です。

でも、この公演は、「この灯体を使ったシーンは、これでも代用できるな」というのが比較的ポンポンと出てきた公演です。

大まかな方針としては、以下のような感じです。

  • 濃い色は全部LEDで代用する。
  • 地明かりの寒色系は#78、暖色系は#A-2で代表し、ナマっぽい色は混色で作る。
  • シーリングは仕込みが面倒なのでナマ1色。
  • それでも、クライマックス用スペシャル明かり1種類は絶対に捨てない。(この場合、センターのバックパー)

統合する」「代表させる」「代用するあたりがキーワードになってくると思います。

学生劇団だと、同じ演目をツアーでやることってあまりないと思うのですが、一度やってみると良い経験になるので、おすすめです。

「良い意味で削ぎ落としたスタッフワーク」を得るにはとても良い経験になると個人的には思います。学生劇団のスタッフワークは、「失敗したくない」「不足を避けたい」という思いから、ときに非常に冗長な構成になってしまうことがありますね。シーリング、フロントサイド、トップ、全部3色構成にして大量の灯体を消費してしまう……なんて経験がある方も少なくないのでは?

ツアーをせずに「そぎ落としたスタッフワーク」効果を挙げるために、公演の数週間前に、仮プランで仕込んですぐにバラす「仮仕込み」とか「照明実験」なんていう贅沢な行事をやっている学生劇団もあるようですね。それも場数を稼ぐ意味で、一つの方法だと思います。

京都公演で立てたスタンド(STAGE EVOLUTION LS2)
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この記事を書いた人

高校演劇~大学の学生劇団で照明を経験し、現在は会社員の傍らアマチュアで舞台照明を継続。第39回日本照明家協会賞舞台部門新人賞。非劇場空間の劇場化、舞台照明の歴史が得意。

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