期待の単光源LED灯体。
American DJ / Dotz Par です。
【機種名】Dotz Par
【メーカー】American DJ
【消費DMXチャンネル数】
3chモード(R/G/B)
4chモード(R/G/B/明るさマスター)
5chモード(R/G/B/明るさマスター/ディマーカーブ)
9chモード(R/G/B/明るさマスター/カラーマクロ/プログラムモード/プログラムモードの速さ/ストロボ/ディマーカーブ)
【LEDの種類】
3色(R/G/B)・3-in-1
1色につき、36W COB LED×1(単光源)
【照射範囲】
レンズ未装着時:60°(とても広い。もはやフラッドライトに近い)
レンズ装着時:25°(PARライトのNとMの中間程度)
【灯体の大きさ】
5P Hexとまったく同じ
PAR36より少し大きい(光源部直径12cm)
厚さはPAR36ショートより薄い
【各種設定画面】
4桁の7セグメントLED(自動消灯機能アリ)
【床置き可能?】
ダブルアームにより可能/アーム外して真上向きも可能
【特徴】
◎ディマーがだいぶ滑らか。ディマーカーブ設定もなかなか良い
◎ディマーカーブをDMXから変えられるので、同じ演目でもシーンによって異なるカーブにできる
◎レンズ未装着時はかなり地明かり的な広さ。真上からの照射で色染めができそう
◎設定画面は一定時間いじらないと自動消灯する。黒テープで覆わなくてよい
△ホワイトは無いので、割り切って使うべし
△レンズ装着時、R/G/Bの光源位置の微妙な違いが被照面に出てしまう
△シュート時にアームが電源ケーブル、DMXケーブルに引っかかる
△フェードアウトは綺麗になったが、フェードインはまだ苦手
【こんな時にオススメ】
- メインの白熱・ハロゲン灯体が300~500Wの小劇場
- ドバっと地明かりのような広さを取りたい時
- 客席に見せる使い方が多い時
- LED灯体の「ツブツブ」「蜂の巣」が嫌いな人
- 1万円台のLEDを2発だけ買える予算がある人
【コメント】
2016/1/3改訂。
まず、単光源のLED灯体がこの安さで買えるようになったのは本当にありがたいです。良い時代になった!
最近のもう少し高級な機種は、4-in-1や5-in-1の、「蜂の巣状」に光源を並べたものが多いですが、
以前、「蜂の巣が気持ち悪いから見えないようにしてほしい」ってお客さんが居たんですね。
↑典型的な「蜂の巣」。
それ以来、「こんなに明るさ要らないから、1粒にしてくれないかなぁ~」と思っていたのですが、まさにそういう需要にピッタリです。
また、照射範囲の広さと、レンズで狭く出来る点も魅力です。タッパ(天井高)の低い小劇場でも、十分色染めとして機能します。
なので、2発だけなら買えそう!という時にはDotz Parを選びましょう。2発でも十分機能します。
逆にタッパが高くなると、広がりすぎてレンズを着けないと苦しそう。中間の40°程度にしてくれるレンズがあればいいのですが…
↑レンズ装着時(左)と、未装着時(右)。
ディマーカーブを選べる点も魅力です。が、このディマーカーブ設定は、フェードアウト時に力を発揮するようです。フェードインはあまり違いが分かりませんでした。
ディマーカーブは以下の5種類。最大値からカットアウトして比べてみました。
- Standard : 従来のLEDと同様。パッと消える。
- Stage : 消えかけに若干ふわっとフェードがかかる。
- TV : 全体にフェード気味になる。
- Architecture : 全体にゆっくりフェード。消えるまでに0.7秒ほどかかる
- Theatre : もっとゆっくりフェード。消えるまでに0.9秒ほどかかる
どれもそれほど「すごく綺麗!」「ハロゲンと混ぜて使える!」というレベルではないのですが、旧型LED灯体のカクカク感は確実に卒業しています。
また、5chモードにするとDMXからディマーカーブを選べるので、「このシーンではパッと消えてほしいけど、次のシーンはふわっと消えてほしい」などの演劇的需要にも対応できます。
一方、良くない点もあります。
まず、レンズを着けると、R/G/Bの微妙な光源位置の違いがバレてしまいます。下の画像をご覧ください。
↑レンズ装着時。赤粒と青粒は若干離れているようで、混ざっていない部分がある。
完全に混ざった色が欲しい場合は苦しいですが、客席に光源を見せるバックPAR的な使い方であれば、それほど気になりません。
また、4色や5色のLED灯体が主流になってきたこの時代、「3色かぁ…うーん…」となってしまう方も多いでしょう。
一応、「R+G+B」がけっこう白っぽいので、若干救いはありますが…
↑R+G+Bすべて100%。相変わらずピンクっぽいが、昔の機種に比べると白い。
いずれにせよ、その辺りは価格相応ということで割り切って使える方にのみオススメです。
でも、「安物機材もここまで来たか!」って思うには十分なスペックだと思います。
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