この当時は貴重だった電球色・ホワイト系のLED灯体。American DJ / Flat Par TW5 です。
【機種名】Flat Par TW5
【メーカー】American DJ
【消費DMXチャンネル数】
2chモード(カラーマクロ/明るさマスター)
3chモード(WW/CW/Amber)
4chモード(WW/CW/Amber/明るさマスター)
5chモード(WW/CW/Amber/明るさマスター/ストロボ)
8chモード(WW/CW/Amber/明るさマスター/ストロボ/カラーマクロ/プログラムモード/プログラムモードの速さ)
9chモード(WW/CW/Amber/明るさマスター/ストロボ/カラーマクロ/プログラムモード/プログラムモードの速さ/ディマーカーブ)
【LEDの種類】
3色(ウォームホワイト/クールホワイト/Amber)・3-in-1
5W 3-in-1 LED×5粒
【照射範囲】
40°(広すぎず狭すぎず、5P Hexと同程度)
【灯体の大きさ】
6インチ~7インチ(PAR56)程度のサイズで、厚みは薄い
【各種設定画面】
4桁の7セグメントLED
【床置き可能?】
ダブルアームにより可能/アーム外して真上向きも可能
【特徴】
◎ディマーがだいぶ滑らか。ディマーカーブ設定もなかなか良い
◎ディマーカーブをDMXから変えられるので、同じ演目でもシーンによって異なるカーブにできる
◎発売当時は貴重だった、比較的安価な白熱電球代替系LEDPAR
△5W×5粒なので、5P Hex等に比べて明るさ不足感がある
△白色系LED灯体としては、演色性がいまいち
△ディマーカーブ補正が別シリーズの灯体 (Dotz Par、5P Hex等) と異なる
【こんな時にオススメ】
- 白熱電球/ハロゲン電球の代替としてのLED PARを探している場合 (ただしハロゲンで言うと200W程度の明るさ)
※上記用途についても、記事執筆時点 (2022年8月) ではより良い最新機種が存在する
【コメント】
2014年の秋ごろに発売され、サウンドハウスでは2015年初頭から数年間扱っていた灯体です。
※上位機種のFlat Par TW12はまだ購入できるようです。
時期的には、Dotz Par (2014年3月頃) と同時期の灯体と言えます。
ただし、設計としてはもう1世代前の「Flat Parシリーズ」(2012年頃発売) の系譜と思われ、Flat Par QA5X 等と共通の筐体を採用しています。
したがって、ディマーカーブ補正もおそらくFlat Parシリーズのカーブになっていて、Dotz Parや5P Hex世代の灯体とは若干補正の挙動が異なっています。特に白熱電球との組み合わせでよく使う “Stage” モード(dc01) の挙動が異なっていて、Flat Par系の方が「尾を引く」フェードアウトになっています。
この灯体は、当時は珍しかった「ウォームホワイト・クールホワイト」(WW/CW) 系の灯体であり、それまでエフェクト的な使用方法が多かったLEDPARのイメージを打ち破り、白熱電球の代替として地明かり領域に進出しようとしていた時代の製品と言えます。少し先行して「ProPar 56CWWW」などの白色系灯体が存在はしたのですが、フェードを滑らかにする補正が無いなど実用的ではなく、ようやくこの時代になって、どうにか実用レベルになったのかなと思います。
とは言っても、演色性は低く (体感Ra=80程度) 、フェードインは苦手で、出力も弱く、完全な白熱電球の代替としてはまだまだというレベルです。記事執筆時点 (2022年8月) でも、実用レベルで代替できるのは数十万円する高級灯体のみで、演色性およびフェードの観点から、白熱電球/ハロゲン電球がまだまだ現役というのが舞台照明の実情です。
当時1万円台でこの灯体を手に入れることができた価値は、それなりにあったと言えるでしょう。
【ギャラリー】
▲5粒のLEDは通常「五角形」に配置されますが、なぜか本機種は十字に配置されています。
すっぴんだとネジが多くて武骨なイメージがあるので、常にフィルター枠を付けた状態で使用するのが良いと思います。
▲フィルター枠は外径20cm角。6インチ~7インチ灯体用のフィルターが使えるでしょう。
▲DMXケーブルは灯体の上下(天地)にOUT/INが配置されています。
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