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【照明ケーススタディ】No.10「舞台図面が無いのに照明図面を描く」

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【公演データ】
本番時期:2013年5月
公演名:谷川俊太郎&賢作 visit 京大 吉田寮(音楽イベント)
会場:京都大学吉田寮食堂(耐震補修前)
筆者の立場:照明プランナー(大学通算14回目)兼オペレーター



仕込み図:   
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(クリックで拡大)

 

【記事テーマについて】
詩人の谷川俊太郎さんに照明を当てた回です。
ケーススタディには関係ないのですが。
 
この時得られた知見としては、「このような仮設のイベントで舞台をどこにするか決めていない場合は、それっぽい位置に『想定舞台範囲』ということで点線で描いておいて、それに対する灯体の配置を描いておけばいい」ということ。  

 

たとえ舞台がこの位置に来なくても、舞台と灯体の相対位置はこの図面の通りなので、臨機応変に対応しやすいです。
図面が無くてもいいのでは?と思うかもしれませんが、図面は単に灯体位置を示すだけでなく、機材・回路の数や「やりたいこと」の整理にも使うため、描かないよりはこうやって無理やり描いた図面を持参した方が良かったのです。

 

照明図面には位置情報以外にも様々な情報が取り込まれているのだなと実感した公演でした。
「舞台図面が無い」ことで失われる情報量は意外と大したことが無かったんですよね。

 

 

【その他のコメント】
谷川俊太郎さん当ての単サスは、最初、真上~若干前明かり気味の位置に設置しましたが、ご本人が「眩しい」とおっしゃいました。
そこで単サスはバック気味に変更して目に入らないようにし、顔のフォローはフロントをじんわり入れて対応しました。
   
他には図面のものに加えて、谷川賢作さん演奏のピアノに当てるサスとか、その場で追加したものが多少あったと思います。

今思うとちょっと灯体数が少なめで暗いかなという感じですが、当時の吉田寮食堂は改修前で築100年の「凄み」があり、何をやっても雰囲気が出てしまうので、これで良かったのだと思います。
灯体自体も、ボロボロの日照製平凸スポットとLED PARを取り交ぜて使い、不思議な空間が出来上がりました。  
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この記事を書いた人

高校演劇~大学の学生劇団で照明を経験し、現在は会社員の傍らアマチュアで舞台照明を継続。第39回日本照明家協会賞舞台部門新人賞。非劇場空間の劇場化、舞台照明の歴史が得意。

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