【照明ケーススタディ】舞台に面光源があるとインパクトになる

※照明ケーススタディは、筆者がこれまでに担当した照明プラン・オペレートの中から、一般化できる知見を紹介するシリーズです。
なるべく汎用性のある知見を紹介していくつもりですが、他の記事群に比べると「個」が強く出ることをご理解ください。

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【公演データ】
本番時期:2013年10月
公演名:象牙の空港 #4 『顔面売買』(作・演出:イトウモ)
会場:人間座スタジオ
筆者の立場:照明オペレーター (プランは、筆者の先輩)

【記事テーマについて】
舞台に、面光源になるオブジェクトがあったりすると、それだけでインパクトが出るなあと思いました。
舞台照明機材は基本的に点光源なので、お客さんに光源そのものを見せられるという点で、面光源は面白みがあります。
この公演では、上の写真にもある4つの柱状オブジェクトの中に電球型蛍光灯(100Wくらいの強力なもの)を1個ずつ仕込んであって、柱の一面だけが障子紙のような材質になっていて光が拡散されて出てくるという仕組みでした。
このような舞台美術は、美術プランナーと照明プランナーの連携が必須ですが、成功すればかなり高い効果を得られると思います。
ここ2~3年で一気に色々な形状のLEDが安価に登場したので、今だったら「調光可能な直管型LED」を使用するような場面ですが、この時は電球型蛍光灯でした。
当然、調光が効かないのですが、わざと調光器に入れて点滅してしまうのを演出に利用したりと、蛍光灯は蛍光灯で良さがありました。

ほかに面光源になりそうな舞台美術としては、「天窓」「巨大なデジタル数字」「床が光る」などがあるでしょう。
ホリゾント幕も、巨大な面光源と言えなくもない?

【その他の感想・知見】
背景に溶け込むような感じで映像が使われていて興味深かったです。映像はVJソフトっぽいものをnanoKontrolで操作していました。
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1枚目の写真の背景に映っている赤い模様は映像です。

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この記事を書いた人

高校演劇~大学の学生劇団で照明を経験し、現在は会社員の傍らアマチュアで舞台照明を継続。第39回日本照明家協会賞舞台部門新人賞。非劇場空間の劇場化、舞台照明の歴史が得意。

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